2026MFM06

小規模農家収益向上のための農産物集積・情報共有・農家学習支援事業

第6章 活動内容

6.1 成果1:農産物集積拠点の設置・運営体制の確立

活動1-1:立地選定・設備整備

 GIS農業資源マップを活用し、バスセンター周辺・サリナディ川扇状地内の平野部から、農家の通いやすさ・洪水リスク・搬出ルートを勘案して集積拠点の場所を選定する。設備は選別台・計量器・冷暗所・スマホ決済端末など最低限に留め、農家グループが段階的に拡充できる設計とする。

活動1-2:農民グループ組織化・運営規約策定

 前回JICA事業で構築した農民グループを核に、集積拠点を利用する農家グループを組織化する。前払い金・精算ルール・手数料・意思決定の仕方を農家と共同で決め、農家グループが主体となる運営規約を策定する。外部依存を最初から排除する設計が自立発展性の基盤となる。

活動1-3:野菜バスとの連携・共同輸送体制の確立

 現地の既存輸送業者と交渉し、集積拠点からカトマンズ卸売市場・小売店への定期輸送ルートを設定する。個別農家が負担していた輸送コストを共同化することで出荷コストを大幅に削減し、農家の手取りを増やす。

6.2 成果2:情報配信プラットフォームの構築(ニセコモデル現地適用)

活動2-1:欠品防止通知システムの設計・導入

 集積拠点の在庫・販売状況を記録するシンプルな台帳(スマホアプリまたはスプレッドシート)を整備する。在庫が一定量を下回ると農家グループのWhatsApp/Viberに通知が届く仕組みを構築する。ニセコ道の駅会員が持つ「欠品防止システムの設計・運用ノウハウ」をネパールの通信環境・スマホ利用習慣に合わせて実装する。

活動2-2:カトマンズ市場動向の定期配信

 RGADの現地スタッフがカトマンズ卸売市場の価格・需要動向を週1回収集し、農家グループに配信する。配信はWhatsApp/Viberで農家のスマホに届けるとともに、RGADウェブサイト(多言語対応)に掲載してより広い農家・市行政・外部者が参照できるよう公開する。

活動2-3:農業技術・経営情報の発信

 RGAD専門家(作物・農業経済)が月1~2回、農業技術カード(スマホで見やすい1枚もの・ネパール語)を作成し農家グループに配信する。内容は季節に応じた病害対策・施肥計画・農薬コスト管理・農産物価格交渉のヒントなど。農家が「読んで翌日から使える」実践的な情報を重視する。

6.3 成果3:農家主体の学習プラットフォーム

活動3-1:農家学習会(Farmer Learning Session)の立ち上げ

 集積日(農家が集まる機会)に合わせて月1回の学習会を開催する。RGADが最初の数回はファシリテートし、徐々に農家リーダーが進行役を担えるよう育成する。目標は事業2年目以降、農家グループが自主的に学習会を開催できる状態を作ることである。

活動3-2ZoomによるRGAD日本専門家との定期オンライン勉強会

 月1回、RGAD日本側専門家(北海道)と現地農家リーダー・市農業担当者がZoomで繋がる「日本・ネパール農業対話」を実施する。北海道での農業経営・農産物直売・道の駅の実際を農家に届け、「農業はビジネスになる」という意識変革を促す。

6.4 成果4:農村女性グループによる加工業育成と直売市

活動4-1:女性グループ組織化・加工技術研修

 サクーの農業女性(既存グループを活用)を対象に、農産物の選別・洗浄・袋詰め・乾燥・漬物・ジンジャーシロップ等の加工技術研修を実施する。研修は現地在住RGADメンバーとライオンズクラブの支援を得て開催する。

活動4-2:直売市(ポケット市場)の定例開催

 月1回の農産物・加工品直売市をバスセンター空間で開催する。農家・女性グループ・地元食堂が出店し、カトマンズ市民・観光客・外国人訪問者が農産物と文化に直接触れる場とする。バジュラヨギニ寺院・サリナディ祭礼のタイミングに合わせた特別市(「バジュラ市」「サリナディ市」)は市外・観光客を主な対象とする。

6.5 成果5:農業技術基盤の整備

活動5-1:農業技術マニュアル・農業資源マップの完成

 前回JICA事業の知見(馬鈴薯疫病対策・施肥・灌漑)を体系化したネパール語・英語の農業技術マニュアルを作成・配布する。あわせて既存GISデータに農地利用・水路・集積拠点候補地を加えた「農業資源マップ」を完成させ、市行政の農業振興計画立案の基礎資料として提供する。

活動5-2NARC連携・日本招聘研修

 NARCとの技術連携を継続し、農業技術マニュアルの内容検証を依頼する。また事業期間中に農家リーダー1~2名を日本(北海道)に招聘し、ニセコ道の駅・農業協同組合・農産物集出荷施設を実際に視察・体験する機会を設ける。

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