Sankhu Area
1. ラメッシュ(Surja 兄)
Surja自宅周辺と他に農地、米ー夏ジャガー冬ジャガ
2. クリシュナ(Surja親戚)
自給農家、有機栽培、家畜、果樹
3.
4. ディペンドラ
若手、米ー夏ジャガー冬ジャガ、規模大、ハンドトラクター2台
Sankhuの農業に将来は無いと嘆く
5. ラムカジ
若手、米ー夏ジャガー冬ジャガ、
6. ジュルム
女性グループのリーダー
7. ラクシミリ
米ー夏ジャガー冬ジャガ、ジャガイモに変わる新規作物を模索
8. 養鶏農家
地震後に養鶏を始める
21. スンダール
種子、肥料、農薬販売
Shankharapur農家訪問
10月3日 Shankharapur市傾斜地の農家訪問メモ
訪問者:サミタ副市長、NGOスタッフ、長南、Surja、表
1. 小規模自給的農家:氏名記録せず
従事者:中年夫婦+両親老夫婦
作目:イスクース iskus(ハヤトウリ)、コーン、生姜、薬草
肥料:尿素肥料、DAPを使用している。
斜面の小区画にさまざまな作物を作付けている。バナナの木も少数あるが、根元が腐る病気があり、その対策法は不明という。
1年前からサクー在住のNGOスタッフの指導のもとでEM液肥 (Effective Microorganisms) を購入し、良い結果を得ているという。液肥はペットボトルで購入し、庭先に置いた100lタンクに1:10の割合で希釈し、牛の尿などを混ぜて使用している。発酵期間は夏:12~15日、冬:22~25日である。年間使用量は100リットル。
Potatoの疫病は無い(標高が高く、風通しよく、傾斜地のため排水は良いためと推測)
クムレ(害虫)の被害がある
サミタ副市長談
2024年に市は30万RpsをNGOのEM農法の普及活動活動に対して補助した。すでに、1,2,3,4,8区の200人に指導し、5,6,7区への展開を計画中である。在カトマンズNGO(20人規模)が在村技術員を派遣して、指導している。



2.自給+販売農家:スヌスタさん
従事者:中年夫婦、子ども4人(男3、女1)
作目:ポテト、コーン、イスクス、トマト
肥料:尿素、DAP、カリ(単肥でカリを使用する農家は珍しい)
投入水準
尿素 40パティ/4ロパニ
DAP 10パティ/4ロパニ
Potash(父親の代からの使用ということだが、単肥でカリを使っている農家は珍しい)
チキンコンポスト
EM液肥は使用していない
昨年、マーケティングの講習会(カリマティ野菜市場への見学を含む)に参加し、バレイショを庭先で集荷業者に販売せず、自らトラックでカトマンズへ輸送し、販売価格45Rps/kgをえた。ちなみに集荷業者が提示した価格は25Rps/kgであった。
バレイショの表皮にスキャブが多い、51パケットの内9パケットの割合であった(この農家に限らず、サクーではそうか病によるバレイショ品質の低下は市場での評価を低くしており、対策が必要である)。種芋はSankhuで調達。近隣に農家の生産・販売グループは無い―共同出荷などは前向きではない。
ポテト 集荷業者
コーン 集荷業者
イスクス 集荷業者(出荷シーズン52~60Rps/kg、現在は7~8Rps/kg)
トマト ローカルマーケット(ご近所が買いに来る)



3.Bhawani Dangal(女性)さん
従事者:中年夫婦、子どもの農業従事状況は不明
作目:換金作物を積極的に作付けている
経営面積 60ロパニ、牛4頭、ヤギ
北側の高標高部は、バリ:天水米+コーン、ポテト
低標高部は、ケート:灌漑米二期作
回答者はNepalソサエティのメンバー、ボランティア活動に従事、ファーマー
液肥利用方法
作物 アカバリ(高級唐辛子)EM菌使用で病害を防げる
キテカリラ(苦瓜) 液肥のみ使用―化学肥料使用せず
なお、液肥を50Rps/lで売ることができる。
肥料投入水準
ポテト、イスクスには化学肥料を使用
Urea 5kg/ropani
DAP 7-8kg/ropani
年々Ureaを減らし、DAPを増やしつつある。Potashは毎年は使用しない
Isksは毎週、コンポストと化学肥料を使う
夫は6年前にNGOの講習会に出席し、肥料の使い方を学習(15人の農家研修生の一人)
病虫害について
Wilt disease(ウイルスのことか?)、Cucumberの立ち枯れ? and potato
バナナの根元部の兜虫幼虫による食害
カリフラワーの根こぶ病
農家価格について
集荷業者が一人か二人に限られ、価格交渉力がないーでも近隣農家間で価格交渉することはない倉庫がないので不利。グループ形成はしない。



※イスクース:南米原産でサクー集落の北側傾斜地で1990年代に栽培されるようになった。竹組で傾斜地に棚を作り栽培。この換金作物によって、多くの傾斜地で営農する農家が現金収入を得るようになった。それ以前は畜産(1,2頭の乳牛を飼養し、牛乳を販売するなど)以外に現金収入の機会は少なく、平場の農業臨時雇用が重要な現金収入となったし、平場の農業にとっては重要な労働力となっていた。近年では、サクーの平場の農家の高齢化が進み、一方でカトマンズでの賃金上昇の影響を受け、臨時雇用労働力の確保が難しくなりつつある。
備考: 面積単位換算 1 ropani(ロパニ) = 12 ana(アナ) = 0.05ha
初めて傾斜地の農家を訪ねることができた。道路網はかってないスピードで整備されつつある。降雨後の訪問であったが、路面はでこぼこで、路肩崩壊などが各所に見られ、脆弱である。スリップなどで止まっていれば、モーターバイクを止めて、皆が助け、労力提供を惜しまない。農家の技術水準には差があるが、EM菌の使用などに積極性が見られる。傾斜地農業のポテンシャルは高いという印象をもった。技術講習、市場について理解を深める研修は効果的であるが、周辺農家の間の連携をとるには、時間がかかりそうである(長南)。