2026FV12

草の根技術協力事業(JICA)準備提案書

第2章 検討プロセスの設計

2.1 基本的な考え方

「正しい答えはない。しかし、共に問いを立て続けることで、これまでになかった発想が生まれる。」 地域振興は、外部専門家が計画を持ち込んで解決するものではない。地域住民・農家・行政担当者・若者・女性・外部者が同じテーブルに座り、共通の課題認識をつくり、そこから具体的なアクションを積み上げていく「協働プロセス」こそが、持続可能な発展の礎となる。日本における道の駅・農村振興・ポケット市場の経験は、このプロセス設計において参照すべき豊富な知見を提供する。

2.2 プロセスの全体構造

以下の4段階で検討を進める。各段階は線形に進むのではなく、循環的・反復的に実施する。

STEP 1 現状把握・ 課題の見える化STEP 2 ビジョン共有・ 優先順位の設定STEP 3 具体策の立案・ 実験的実施STEP 4 評価・改善・ 制度化

2.3 手をつけるべき優先順位と理由

「何から始めればよいか」という問いに対して、以下の順序を提案する。

情報の収集・共有から始める議論の前提となる共通の「事実認識」がなければ、議論は感情論や利権争いになりやすい。まず「何が起きているか」を可視化することが、すべての出発点である。
小さな成功体験をつくる大きな計画より、すぐに実施できる「小さな試み(パイロット)」が住民の信頼と参加意欲を高める。ポケット市場・農産物直売の試行などが有効。
外部者は触媒役に徹するJICAや日本の支援者は「答えを持ち込む人」ではなく「問いを引き出す人」として機能することが、持続可能な体制づくりにつながる。
農業振興を地域アイデンティティと結びつける農業の維持は単なる産業政策ではなく、3,000年の歴史を持つ集落文化の継承と不可分である。この視点が、住民の動機づけを高める。

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