第6章 JICA草の根技術協力事業としての枠組み
6.1 草の根技術協力事業の適合性
| 事業スキーム | 草の根技術協力事業(地域提案型) |
| 日本側実施主体 | 農村振興・地域開発の知見を持つNPO・大学・自治体・民間団体(要選定) |
| ネパール側実施主体 | シャンカラプール市行政(事務局機能)+地域検討委員会 |
| 事業期間 | 3年間(JICA草の根の標準期間) |
| 支援の重点 | ①体制整備支援 ②調査・研究支援 ③研修(日本・ネパール相互) ④パイロット事業支援 |
| 日本の経験の活用 | 道の駅・ポケット市場・農村ツーリズム・農産物ブランド化・農業女性起業支援の事例 |
| ネパール政治情勢 | 2026年3月総選挙後の新政権による地方行政改革の機会を活用(汚職対策・若者政策) |
6.2 想定されるリスクと対応策
| リスク・発生可能性 | 対応策 |
| ネパールの政治的不安定 中(選挙・政権交代) | 市行政への依存を減らし、住民主体の体制を構築。政治変化に左右されない市民組織をつくる。 |
| 行政の人材不足・担当者交代 高 | 複数の担当者に関与させる。議事録・マニュアルを整備し、組織知を蓄積する。 |
| 住民参加の低調 中 | 小さな成功体験(ポケット市場)から始め、可視的な成果で参加者を増やす。 |
| 資金の継続性 中 | JICA終了後の自立運営を当初から設計。市予算・民間資金・観光収入の組み合わせを検討。 |
| 農業放棄・都市化の加速 高 | 農業の経済的価値を可視化(バリューチェーン分析)し、農業継続のインセンティブを設計する。 |
6.3 まず最初にやること(Next Steps)
| 今すぐ動き出せる3つのアクション ①キーパーソンへの個別対話(インタビュー)を始める 市長・農家リーダー・若者・女性グループ・観光関係者など10~15人への個別ヒアリングを実施する。「あなたが一番困っていることは?」「5年後の地域をどう見たいか?」という対話が、委員会設置より先に来る。 ②「問いのリスト」を共同作成する 「答え」より「問い」から始める。「農地はどのくらい残っているのか?」「誰が市場に売りに来たいのか?」「観光客は何を求めているのか?」などの問いのリストを住民と一緒につくることが、調査の出発点となる。 ③JICA草の根事業の日本側パートナーの選定・相談を開始する 農村振興・農産物流通・観光地域づくりの経験を持つ日本のNPO・大学・農業団体・自治体との連携可能性を早期に探る。北海道・東北・四国の道の駅・農村ツーリズムの事例組織が候補となりうる。 |
本提案書はシャンカラプール市の地域総合発展に向けた議論のたたき台である。
地域・行政・外部者が共に問いを立て、共に歩むことで、これまでになかった発想が生まれることを期待する。
