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情報交換2026

Surjeさん

返答が遅くなりました。私の書くスピードは元来、遅く、返答は長くなりがちです。福島さん、表さんは1月ほど、JICA研修事業で忙しいので、以下は、私流のまとめです。

6月5日開催の総会では、Shankharapurへの派遣とShankharapur市からの招待経費の補助が認められました。8月以降を予定しているサクーでの活動の主な目的は、Shankharapur市の発展のために農業部門は何ができるかをShankharapurの皆さんと一緒に考え、実行可能なプランを作成することです。実行可能なアイデアがまとまれば、JICAの草の根プログラムの申請をしたいと思います。

具体的に何ができるか?RGAD研究会の議論では、大きく二つのideaがあります。どちらも、歴史と文化と生活のあるShankharapurにおいて農業の発展が地域経済の発展に不可欠という考え方は共通しています。

  1. Shankharapurに農産物のマーケティングの拠点(集散地)をつくること
  2. Shankharapur市の広大な傾斜地における農業生産のポテンシャルを引き出すこと

最初のマーケティングの拠点形成のモデルは、日本の地域活性化に貢献している、比較的小規模な「道の駅」です。スマホを利用して、農家は少量の、「品質の良い」農産物を持ち寄ります。個々の農家は、自分の持ち込んだ農産物が売れたかどうかを、スマホで確認でき、評判が良ければ、よりたくさん売ることができます。農家は「道の駅」での売れ行きで、何が売れるかを知り、お互いの農産物の品質を確かめることができ、品質の向上につながり、農家間で技術が普及し、地元の消費者にも喜ばれます。

農産物の集荷システムが確立すれば、将来、Shankharapurからカトマンズ市場への安定価格での出荷が可能になります。販売の会計の決済システムも自動化されます―小口融資の銀行の協力が必要ですので、商業の発展にもつながります。会員にNexagや「道の駅」の情報管理システムを開発したエキスパートがおりますので、JICAの草の根プログラム申請書の作成は、より有利かもしれません。

2つ目のアイデアは、現時点で道路整備により農業生産のポテンシャルが高くなっている山岳部の農業の発展をより重視することです。

Sankhu中心部の農地はトマトの雨よけ栽培などに特化しつつあり、宅地化が進むなかで、水稲―夏バレイショ-冬バレイショの作付け体系を維持することが難しくなっています。そうか病はバレイショの連作が主因です。ウイルスに対する農薬はなく、新たな作物の導入など、全村的な対策が必要な段階です。昔の水稲―小麦作のローテーションに戻すと、現金収入がなくなりますので、ばれいしょの転換作物を何にすべきか、決めなければなりません。ブロッコリなどを作る場合は、ネコブ病を防ぐために排水不良対策が必要です。甘藷を勧める専門家もいます―日本では焼き芋市場が着実に拡大しており、とくに女性に人気です。

日本では、都市に農業を残すために様々な政策が実施されてきました。国や地方自治体は都市の農地に対する課税率を低く抑え、地域の宅地開発を規制したりしています。しかしながら、農家自身による農業の収益性を増加させる努力がなによりも重要です。水利組合や農協は、なくてはならぬインフラストラクチュアですが、あくまでも農家のサポート役を担います。

Shankharapur市はお金をかけずに、宅地開発ガイドラインを作成して、農地転用のスピ―ドを制御することは可能でしょう。宅地化が進行し、Sankhu中心部の農業は用水量の確保より、「排水機能」の改善がより重要になっています。市が中心になって用排水未分離の水利用システムを改善しなければなりません。

Shankharapur市がイニシアティブをとって、Shankharapur全体の農業生産を増加させる効果的な方法を考えるときです。その場合、山岳部の農業は、道路網の整備もあって、より高いポテンシャルをもっているように思われます。サミタ副市長と訪れた傾斜地の農家は生産意欲も高く、バナナや薬草など、さまざまな種類の農産物の生産の可能性があるようです。その際、農産物を集荷するシステムが重要です。カトマンズという大消費地がすぐ近くにあるのですから、Shankharapurの農業の有利性は大きく残されています。早朝に出荷すれば、交通渋滞による生鮮野菜の品質低下も回避できます。

日本では、地方のムラの人口減少によって地域の活力がなくなり、その問題解決のために、ムラ独自にいろいろな試みがなされています。日本では、国―地方自治体―農協(農民団体)などが連携して活動しますが、地方自治体と住民が協力して、ムラ独自のプログラムを作ることは、そう簡単なことではありません。

私たちの学生の頃には、ブレインストーミングという言葉が流行し、大学でも「知的生産技術の方法」に関心がもたれました。長年にわたりネパールを研究していた川喜田次郎先生は「ハートとハードを区別しない」KJ法という問題解決法を作り、普及に努めました。福島さんと表さんは、JICAの水利組合に関する研修でPDMという方法を使って、研修参加者全員が参加して水利問題を解決する方法を採用しています。

研究者ではなく、無名の実践者が開発した―誰でも、どこでも始めることができる。表さんが推奨する「地元学Our land learning」です。皆さんと一緒に「地元学」が推奨する「Shankharapurの地域資源マップ」の作成から始めるのがよいと、私は考えています。以下は、その考え方の一部です。

持続的な取り組みとは:自分たちのことを自分たちでやるという自治する力を根本に据えることから始まる。

3つの元気が大切:人が元気であること、地域の自然が元気であること、経済が元気であることを目指す。

地域資源マップを作製する:自分たちで調べない限り、地元のことは詳しくはならない。地域の人のライフスタイル・インタヴューを重ねることで、地域資源マップはつくられるかもしれない。

考える力:つなぐ、重ねる、はぐ―――>自分たちで地図を作り、ムラの年表を作成し、そこに息づく「原風土」を探す。

あたりまえにあるものを新しく組み合わせる:「あれがない、これがない」であきらめるのは二流の仕事である。

問題解決型の地域づくりから、価値創造型への転換を図る。このためには、中心のないネットワークづくりが重要であり、自己完結しないでつながってやってゆくことが重要である。

以上、Shankharapurで「話し合い」「共同作業」で地域資源マップを作ることから始めませんか?私たちは、そのお手伝いをします―言語の違いについては、今後のAIに期待しましょう。その際に、Shankharapurのカトマンズ盆地における役割、文化のみならず、経済的な役割を忘れてはなりません。歴史・文化・宗教・生活において、Sankhuは唯一無二の価値ある存在です。これまでは農業の役割をあまり考えてこなかったかもしれませんが―これを重視しなければなりません。現在の日本を例とすると、京都の後背地にある純農村を目指すのか、東京につながる埼玉県の農業を目指すのか?大きな視野で、考えてみましょう。どちらも農業は健在です!

Surjeさんの種芋プログラムの企画をより具体的に書いてください。Surjeさんの「バレイショ種イモ更新事業」の重要性は理解できますが、RGADの予算は\60,000を考えています。農産物の良質な種子を確保することは最優先課題です。主産地化するための必須条件です。しかし、種イモ生産事業には技術力と資本が必要で、さまざまなリスクがあり、個人的な事業では失敗します。

日本の場合、政府の政策と補助金によって地域の農業試験場、農協が責任をもって、種芋農家を支援します。10年前に、Sundhal, Julm、Anitaさんに、帯広の種芋生産農家の圃場を視察してもらいましたが、技術力の高い農家がとてもきびしい栽培規則のもとで生産しています。後ほど、北海道の種芋生産圃場の栽培規則を送ります。種イモ生産農家にとっては、輪作などの作付け構成を考えると、収益性は低く、地域のために必要だから生産するという認識です。

日本の農協は、農業資材の購入、農産物の販売、農家への信用供与などを実施できる組織です。日本の農協は行政組織と連携して、事業を実施します。欧米の農協とはずいぶん違います。現段階で、Shankharapurに種芋生産のための組織を創ることはとても難しく思え、漸進的な「品種改良」を選択するしかありません―「良い品質のものを作れば、やがて必ず売れる」という信念です。

Shankharapurの農業は可能性に満ちています。価値あるSankhuから、JICAの草の根プログラム申請することは、活動資金の調達につながります。しかし、それ以上に自ら計画を創る、必要な情報を集める活動が重要です。申請のためのカウンターパートを、今回、Rotary Clubにお願いしました。農家以外の人々の参加は農業を守るために重要です。そして、行政の参加も必須です。

私たちのNPOは研究者(学生)と発展途上国の農民をつなぐ、役割を持つべく、これまで活動してきました。現在、会員数も十数名と少なく、高齢化が進み、資金力もありません。これまでSankhuとの交流を続けることができたのは、Surjeさんとご家族、そしてShankharapurの人々の協力があったからです。この協力関係は、インターネット、とりわけAIによって持続可能です。

長南 史男

情報交換2026

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