2026Raji03

Raji Krow整備計画(案)

3. 整備計画のビジョンと基本方針

3-1. 整備ビジョン

Sankhu用水路整備ビジョン】

“水路が生きる街・サクー”

王の水路Raji Krowを農業・生活・景観・防災・環境の共有財産として蘇らせ、

ネワール文化の誇りとともに次世代へ繋ぐ持続可能な水管理を実現する。

3-2. 基本方針

方針1:農業機能の確実な確保

300haの水田・畑地への灌漑水の安定供給を最優先とする。水稲-馬鈴薯ローテーションに必要な乾期の水量確保に向け、幹線水路の漏水対策・ブロックローテーションの導入・分水工の管理強化を図る。

方針2:用排水分離と防災機能の強化

用水路と排水路の機能を明確に分離し、モンスーン期の大雨に対応できる排水路ネットワークを整備する。小河川との交差部の崩壊対策(ガビオン工、ボックスカルバート等)を優先的に実施する。

方針3:集落景観の復活と親水空間の創出

集落内の石蓋・埋設区間を段階的に開渠化し、金沢・郡上八幡のような清流が流れる街並みの再生を目指す。貯水池(プクー)を親水空間・ビオトープとして再生し、子供の水遊び場・環境教育の場として活用する。トールごとのガイチ(水場)の復活も検討する。

方針4:地下水保全と環境機能の維持

シルト土壌が卓越するSankhu地区では、用水路からの適度な浸透が地下水涵養に重要な役割を果たしている。全区間をコンクリートライニングするのではなく、地下水涵養ゾーンを意図的に設定する。

方針5:住民主体の管理体制の構築

外部支援に依存しない持続可能な水管理を目指し、トール(街区)単位の管理組合を組織し、維持管理の担い手を明確化する。スマートフォンを活用した参加型管理システムを構築し、情報の非対称性を解消する。

方針6:在来工法と現代技術の適切な組み合わせ

ネパールの自然石・レンガ等の在来材料と在来工法の継承を基本としつつ、崩壊多発箇所・都市部の重要区間には現代技術(コンクリート・ガビオン等)を適用する。2015年大地震の教訓を踏まえた耐震設計を採用する。

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