草の根技術協力事業(JICA)準備提案書
第2章 検討プロセスの設計
2.1 基本的な考え方
| 「正しい答えはない。しかし、共に問いを立て続けることで、これまでになかった発想が生まれる。」 地域振興は、外部専門家が計画を持ち込んで解決するものではない。地域住民・農家・行政担当者・若者・女性・外部者が同じテーブルに座り、共通の課題認識をつくり、そこから具体的なアクションを積み上げていく「協働プロセス」こそが、持続可能な発展の礎となる。日本における道の駅・農村振興・ポケット市場の経験は、このプロセス設計において参照すべき豊富な知見を提供する。 |
2.2 プロセスの全体構造
以下の4段階で検討を進める。各段階は線形に進むのではなく、循環的・反復的に実施する。
| STEP 1 現状把握・ 課題の見える化 | → | STEP 2 ビジョン共有・ 優先順位の設定 | → | STEP 3 具体策の立案・ 実験的実施 | → | STEP 4 評価・改善・ 制度化 |
2.3 手をつけるべき優先順位と理由
「何から始めればよいか」という問いに対して、以下の順序を提案する。
| ①情報の収集・共有から始める | 議論の前提となる共通の「事実認識」がなければ、議論は感情論や利権争いになりやすい。まず「何が起きているか」を可視化することが、すべての出発点である。 |
| ②小さな成功体験をつくる | 大きな計画より、すぐに実施できる「小さな試み(パイロット)」が住民の信頼と参加意欲を高める。ポケット市場・農産物直売の試行などが有効。 |
| ③外部者は触媒役に徹する | JICAや日本の支援者は「答えを持ち込む人」ではなく「問いを引き出す人」として機能することが、持続可能な体制づくりにつながる。 |
| ④農業振興を地域アイデンティティと結びつける | 農業の維持は単なる産業政策ではなく、3,000年の歴史を持つ集落文化の継承と不可分である。この視点が、住民の動機づけを高める。 |