IK-04

Forecasting (En)

Forecasting (Ne)

予察事業

1. はじめに

 予察が重要であることがお分かりいただけたと思います。なぜそれが重要なのか、もう少し説明させてください。

2. 化学防除のコスト

 一般的に、化学薬剤の散布はコストがかかります。なぜなら、効果的な化学薬剤は高価であることが多いからです。さらに、散布には機械、燃料、労力が必要です。

 そのため、すべての散布をできるだけ効果的かつ効率的に行いたいと考えています。

3. 予察の方法と重要性

 病害の発生を予測し、化学薬剤を効果的かつ効率的に施用するために、病害の発生を調査し、データを収集し、それを分析し、そのデータに基づいて病害の発生を予測します。そして、散布が必要な時期を農家に知らせます。病害は毎年同じように発生するわけではなく、気象条件やその他の要因に影響されるため、信頼性の高い気象ベースの予測を行うには、約10年間のデータを蓄積する必要があります。

4. 病害予察と発病の三角形

 「病害予察」は、植物病害の三角形と密接に関連しています。主要な要素は:宿主植物(感受性または抵抗性)、病原体、そして環境要因(病原体にとって有利または不利)です。これらの中で、天候は特に重要です。なぜなら、天候をコントロールすることはできないからです。そこで、病害の発生を予測するために、日々の気象データを収集・分析する多くのシステムが開発されてきました。

5. 日本における病害虫予察の歴史

 それでは、日本における病害虫予察の歴史を紹介します。

6. 病害虫防除所の役割

 予察に関連する組織を紹介します。病害虫防除所が予察を担当していますので、まずこの組織の役割を説明しましょう。

 主に3つの役割があります。

  1. 病害虫の調査を実施し、その結果を農家に伝えること
  2. 病害虫に関する研究を実施すること
  3. 農薬の安全使用に関する指導を推進すること

 その役割についてより詳しく説明します。

7. 予察のための調査研究

 主要な病害虫がどのように発生し、どの程度の被害を引き起こすかを定期的に確認します。

定点調査圃場: 各地域の農業試験場に設置されます。そこで見つかった病害虫に基づいて、各地域の傾向が研究されます。

巡回調査: 農業改良普及センターが実際の生産圃場で病害虫をチェックします。

被害調査: 毎年、病害虫がどのくらいの頻度で発生し、どの程度の被害を引き起こすかをまとめます。

予察情報

必要に応じて:警報、注意報、地区情報

定期的な更新:予報、月報

8. その他の役割

病害虫に関する研究の実施

目的:予察精度の向上、調査・分析方法の開発、植物病害虫の診断依頼への対応など

農薬の安全使用に関する指導

農薬被害を防止するための対策の推進、農薬安全基準の遵守、その他関連する取り組み

9. 農業改良普及センターについて

  • この組織は、農業改良助長法に基づいて都道府県によって設置されています
  • 普及指導員は、農家に技術指導と経営助言を提供します
  • また、農業技術や農場経営を改善する方法に関する情報も提供します

10. 農業協同組合(JA)について

 農業協同組合は、農業協同組合法に基づいて設立された協同組合の一種であり、法人格を有しています。

 この法律の目的は、農業者のための協同組織の発展を促進し、それによって農業生産性を高め、農業者の経済的・社会的地位を向上させ、国民経済に貢献することです。

 JAは、組合員である農家のために経済活動(農産物の販売など)および信用事業(金融サービス)を実施します。

 地域に根ざした組織として、農家の生活も支援します。

11. 農業試験場について

 私はそのうちの1つに所属しています。

  • 日本には、国立と都道府県立の試験場があります
  • 両者は似た役割を持っていますが、国立試験場は大学のような学術研究に焦点を当て、都道府県立試験場は現場ですぐに使える技術を開発します
  • 主な業務:
  1. 新品種の作出と育成
  2. 効率的な生産技術の開発
  3. 農産物の品質維持
  4. 病害虫を防ぐ技術の開発
  5. 作物の生育に適した土壌の作成
  6. 新技術の農家への普及
  • 都道府県立試験場は病害虫防除所と密接に連携しています

12. 組織間の関係

 これらの組織間の関係は、ここの図に示されています。太い矢印は、より強いつながりを示しています。

 すべての組織が、それぞれの強みを活かし、互いに協力しながら生産現場を支援しています。

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