Control for late blight (En)
Control for late blight (Ne)
疫病防除
1. はじめに
疫病防除、特に殺菌剤の使用についてお話しします。
2. 病害発生の3要因と防除の考え方
先ほど述べたように、病害が発生するには3つの要因が必要です。そのうちの1つでも取り除けば、病害は発生しません。しかし、天候をコントロールすることはできないため、すべては他の2つの要因にかかっています。これから、殺菌剤の使用方法について説明します。
3. 日本で使用可能な殺菌剤
この表は、日本で入手可能な殺菌剤の種類、希釈倍率、および効果持続期間を示しています。下に示されている殺菌剤は、マンコゼブよりも単価が高いですが、効果が長持ちします。
4. 殺菌剤コストの比較
そこで、1ヶ月間の疫病防除にかかる殺菌剤コストを計算しました。その結果、これらの殺菌剤はグラム当たりの価格はマンコゼブより高いものの、効果が長持ちするため、全体的には安価になることがわかりました。「例えば、アミスルブロムの3,000倍希釈は7日間しか効果がないため、1ヶ月分は1,880円かかります。対照的に、2,000倍希釈は14日間持続するため、1ヶ月分は1,400円になります。」
5. 散布回数削減による総コスト削減
散布回数を半分に減らせば、燃料費と労力も半分になります。一部の殺菌剤は、隔週で施用した場合、毎週マンコゼブを使用するよりも少し高くなります。しかし、そのような殺菌剤でも、散布にかかる燃料費を考慮に入れると、総コストは実際には毎週マンコゼブを散布するよりも低くなります。
6. 散布開始時期の重要性
散布を開始する時期は非常に重要です。病害が現れる前に必ず開始してください。あまりに早く散布を始めると、無駄な散布になってしまいます。つまり、殺菌剤と燃料の両方を無駄にすることになります。一方、開始が遅すぎて発生初期を逃すと、殺菌剤は効果を発揮しません。
殺菌剤を効率的かつ正確に施用するには、病害がいつ発生するかを予測する必要があります。では、病害が最初に現れる時期をどのように予測できるでしょうか?
7. 北海道の疫病防除システム開発
30年以上のデータの傾向を見ることで、北海道の疫病防除システムの構築に取り組んでいます。
8. 予測システムの開発
4地点の30年間の発生データと気象データを使用して、発生につながる気象パターンを探しました。それに基づいて、発生を予測するアルゴリズムを開発しました。そして、プロトタイプアプリを構築しました。アプリでは、ユーザーは自分の圃場の緯度と経度、ジャガイモの萌芽日を入力するだけです。そこから、アプリが計算を実行し、発生確率が最も高い時期の1週間前にメールを送信し、殺菌剤を散布するよう通知します。つまり、ユーザーはメールを受け取ったときに散布するだけです。
9. システムの効果と今後の課題
このシステムに従うことで、最初の発生前に確実に散布できます。そして、2週間ごとに散布すれば、最初の発生前に最大2回の散布で済み、これが理想的な回数です。
残念ながら、このシステムはネパールには適用できないと思います。
長南博士らはFLABS、Blight Cast、および類似のシステムの適用を開始しています。しかし、予測システムは気象データだけでは作成できません。病害観察圃場における病害発生初日の観察活動が必要です。ネパールには、この国の実際の病害パターンに基づいて開発されたシステムが必要だと考えています。言い換えれば、疫病に関する客観的な情報をコミュニティ全体で共有できるシステムを作る必要があります。
10. 継続的な調査の重要性
毎年、植物の病害虫を調査し記録し続けることは非常に重要です。
北海道では、14作物と59の病害虫を追跡しています。これらの調査は法的に義務付けられており、日本全国で地域の条件に応じて実施されています。この日本のシステムについては、後ほど改めて説明します。
